新聞の「個人成績」欄 | 女の子のための『野球、ルール以前のモンダイ』

新聞の「個人成績」欄

table



試合のスコアに続いて、その試合での各選手の成績を載せたコラムを読み解いてみましょう。サンプルは讀賣新聞(大阪版)2005年5月1日付朝刊のスポーツ欄です。

【7回戦】▽3時間59分
「7回戦」というのはもうお分かりですね。同一カードで行われた7回戦目であることを表しています。その後ろの「3時間59分」は試合にかかった時間です。だいたい3時間~4時間くらいの間で行われ、平均試合時間はセ・リーグで3時間20分、パ・リーグで3時間29分だそうです。ちなみにメジャーでは2時間47分という数字が出ているそうですが、実際にメジャーの試合を見るとかなり長時間にわたる試合も結構あります。

〔右〕 栗 山
〔 〕内はスタメンで出場した選手の守備位置を表しています。その右は選手名です。上の例では栗山選手はスタメンでライトの守備で出場していたことが分かります。また、選手名は打順と同じ順番で並べられています。つまり、栗山選手は1番打者だということです。

打 高 山
〔 〕のない守備位置の選手は途中出場の選手で、すぐ上の選手の代わりに出場したことを表しています。この場合、高山選手が栗山選手の代わりに途中から出場したことになります。
ですが、「打」とはなんでしょうか。そのような守備位置はありません。これは「代打」という意味です。栗山選手の打席が回ってきた際に、高山選手と交代したことを意味しているのです。

〔中〕右 小関
ところが、高山選手は次の回の守備で栗山選手が守っていたライトに入っていません。さらにその下に「捕 細川」とありますね。これは少しパズルのようなややこしさがあるのですが、順番に見ていきましょう。

9番打者の「〔捕〕 田原」とその下の「打 中 赤田」というところを見てください。これは田原選手の代打として赤田選手が打席に立ったことを表しています。実は、上の栗山選手の交代の前に、こちらの交代が行われていたのです。赤田選手はその次の回の守備で「中」、つまりセンタ-の守りに入っています。
では、先発でセンターの守りに入っていた小関選手はどうなったのでしょうか。それがこの見出しによってわかります。「〔中〕右」とあります。つまり、センターからライトに移ったということですね。これで初めに栗山選手の守っていたライトが無事埋まります。

ちょっと待ってください。捕手の田原選手が退いて赤田選手が入ったのに、その赤田選手がセンターを守ると今度は捕手がいなくなります。ここで余っている(失礼)高山選手が捕手であればいいのですが、彼は外野手です。そこで、次の守備が始まる時点で捕手の細川選手を高山選手の代わりに出場させるということを、西武ベンチが行ったのです。
この交代劇は図に示したとおりですので、冒頭の画像を参考にしてください。(これは紙面からは分かりませんが、延長10回の攻防で行われました。)

〔指〕 大島
「〔指〕」とは守備位置ではなく「指名打者」の意味です。スタメンは大島、その後中村、片岡、貝塚の順に交代していますね。代打出場後はそのまま指名打者として入っています。

選手名の右の数字
打数……打席から四死球・犠打・犠飛・相手のエラーを引いた数※1
安打……ヒット数
打点……打席に入った際の行為によって入った得点
本塁打……ホームランの数。黒字はシーズン通算本数、白抜き文字はこの試合で打ったことで何本目になったか。
通算打率……シーズンの全安打÷全打数。どれだけの割合で安打を打っているか。「.323」は3割2分3厘と読みます。

犠 併 残
犠……犠打・犠飛
併……併殺打(1回のプレーで二死になる打席での行為。打者の行為です。)
残……残塁(3アウト目の走者の数。たとえば、3アウトになったときに1・2塁に走者がいれば「2者残塁」)
これらはチーム全体の数字です。

二 中村 カブレラ 盗 和田○1
二……二塁打
盗……盗塁
丸数字……通算本数、通算盗塁数等

河原……(以下)
ここは投手の成績欄です。一番上の投手が先発投手です。一番下が抑えの投手、真ん中の投手が中継ぎ投手です。
回……投球回数
打……対決した打者数
安……被安打数(安打を打たれた数)
振……奪三振数(奪った三振の数)
球……四死球の数
責……自責点

※1 バンダナさまからのご指摘がありました。訂正いたします。バンダナさまには重ねて御礼申し上げます。